織田家の菩提寺
大須商店街のど真ん中にある「万松寺」は織田信長の父・信秀が1540年に創建したものです。
織田家の菩提寺であり、また織田信長ゆかりの寺でもあります。
1610年に現在地へ
万松寺は、もとは那古野城(名古屋城の前身)の南側にあったのを、名古屋城築城の際に、現在地へ移建したとのこと。
移ったのは1610年なので、清洲越し(1612年~)よりも前ということになります。
元の場所は?
万松寺が元あった場所は、「中区錦と丸の内2丁目・3丁目にまたがる場所」、つまり、地下鉄丸の内駅とテレビ塔との間の一帯です。
直線距離にして一キロ程度の移動ということになります。
中区役所
明治時代には、境内の中に中区役所がありました。
織田信秀とは
境内に織田信秀の墓碑があります。
織田信秀は、経済力と革新的な戦略で織田家の基礎を築き上げました。
織田家は室町時代の守護代の一族です。しかし信秀の織田家は、その織田家の家臣の立場で、守護代よりも低い奉行の地位にありました。
にもかかわらず、
- 津島・熱田の経済力を掌握
- 美濃・三河へ軍事拡張
- 尾張最大勢力へ成長
と、織田家の中で頭角を表します。
信長の活躍も、信秀の活躍があってこそ、ともいえるので、歴史ファンの評価も高い武将です。
境内がリニューアル
2017年4月に訪問した際は、改築工事中で敷地内に入れない状態だったのですが、5月には建物が完成し、一般公開されました。
5月28日の大須の縁日の際には、すっかり完成しており、見物客で賑わっていました。
見所がたくさん
万松寺は、信長イズムを継承しているのか、ハイテクで斬新な雰囲気です。
見所がたくさんの、新しくて楽しいお寺に変わっていました。
というわけで、万松寺の見どころを一部ピックアップしてみました。
からくり人形「信長」
万松寺名物の「からくり人形『信長』」は、午前10時から18時まで、1日5回上演しています。
からくり人形は、万松寺本堂3階の窓辺で演じられます。
「抹香投げつけ事件」桶狭間の戦いの際の「敦盛の舞」を演じています。
もう一つのからくり人形「白雪稲荷の物語」は故障中とのこと。
本堂ビルの3階で上演
からくり人形「信長」は商店街の新天地通から奥に入ったところの、本堂ビルの3階で上演しているので、分かりにくいかもしれません。
3階から上映するので、見上げる形になります。
一回につき5分ほどの短いパフォーマンスですが、足を止めて見物してみるといいかもしれません。
白竜のモニュメント
リニューアル後の新しいイベントとしては、13時から19時の間に、一時間ごとに白竜のモニュメントがカラフルにLEDで照らされ、霧を吐き出す、というイベントがあります。
新天地通からもよく見れるので、見物客が集まっていました。
重軽地蔵
本郷ビルは、5階建てで、ビルの裏側に、重軽地蔵があります。
お参りの前に、重軽地蔵を一度持ち上げ、お参り後にもう一度持ち上げてみて、最初よりも軽く感じられれば願いが叶う、という言い伝えがあります。
万松寺の境内の中にある史跡については、公式サイトにも記載されています。
御深井観音
御深井(おふけ)観音は、初代尾張藩主徳川義直の夫人・春姫の「守護仏」で、元は木造だったが、戦災で焼失した、とのこと。
制作年代は不明ですが、戦後に作られた観音像かもしれません。
仏足石
御深井観音の隣には仏足石と呼ばれる大きな石があります。仏足石は、釈迦の足跡を石に彫り込んだものです。
名古屋城の建設の際に、石材の中から加藤清正が見つけたもの、とのこと。
看板の説明によると、1200年前の、日本最古級のものとされます。
白雪稲荷
万松寺の境内には、身代り不動明王と並んで、「白雪荼枳尼真天」が祀られています。
荼枳尼天のことかと思われます
万松寺の地に千年も前から住んでいた白狐がまつられたのが起源とのこと。
万松寺が一時衰微した時、この白雪稲荷によって救われたそうです。
万松寺の参道
万松寺の参道の入り口は、街の看板の下にあって、いかにも大須らしい印象です。
万松寺ビルの中を通る参道は、キラキラ白く輝く照明で照らされています。
参道を進んで行くと、万松寺に着きます。
万松寺の歴史的エピソード
抹香投げつけ事件
大須に移転する前の歴史的エピソードとしては、信秀の葬儀の際に、荒縄の帯を締めた信長が位牌に抹香を投げつけた事件が有名です。
徳川家康が幼少期に過ごす
徳川家康も、人質時代の幼少期に3年間、この寺で過ごしました。
身代り不動明王
万松寺には、「身代り不動明王」の石像が置かれています。
解説によれば、1570年に、信長が越前の朝倉城を攻めた帰り道に、狙撃される事件が起きました。
ところが、信長は万松寺の和尚からもらい受けた硬い干餅を懐に入れていたおかげで助かった、とのこと。
それから40年後、加藤清正がこの話を和尚から聞いて、万松寺の不動様を「身代り不動明王」と名付け、門前の茶屋で売っていた餅は「身代り餅」と呼ばれるようになった、とのこと。
加藤清正と万松寺
加藤清正は、名古屋城築城の際に協力をしましたが、この万松寺を宿舎にしたとのこと。
「身代り餅」は、その時のエピソードだと思われます。
身代り餅つき
毎月28日は、身代り不動明王の縁日とされ、新天地通に面した場所で、「身代り餅つき」が行われます。
「身代り餅」は、午後六時から参拝者に無料で配布されています。
無料で振る舞われる
「身代り餅」は、無料でもらえるとあって、地元の人たちの長い行列ができています。 本堂をぐるりと取り囲むような行列で、20分ほど待って、「身代り餅」をもらえました。
きな粉餅で、つきたての美味しい餅です。
というわけで、大須商店街の万松寺の見どころを紹介しました。
長い歴史のあるお寺で、観光スポットとしてもおすすめです。