市内に残る里山風景

紅葉のシーズンに、名古屋市天白区の相生山緑地をたずねました。

名古屋市の住宅地の真ん中に、広大な雑木林が残っており、里山風景に出会えます。

入り口
相生山緑地への入り口の一つ。
入り口は、あちこちにあります。
この時期は、美しい紅葉を鑑賞できます。

オアシスの森

相生山一帯の雑木林は、「オアシスの森」と名付けられています。

オアシスの森の中には、散策用の歩道がめぐらされています。

落葉樹の多い雑木林は、季節ごとに色の変化を見せてくれます。

四季の彩り

相生山緑地では、多様な植物・多彩な植生が楽しめます。

春は、ウメや山桜、ヤマツツジが咲き、初夏には、コナラ、クヌギなどの新緑に覆われます。

秋になれば、鮮やかな紅葉が楽しめます。

新緑の季節は、緑一面に覆われます。
ヤマツツジが見頃となります。

ガマズミなどの白い花もあちこちに咲いています。

春

夏は木陰となるため、町中より過ごしやすくなっています。

夏

アケビなどの木の実がなっています。

晩秋になると、徳林寺周辺で紅葉が見頃となります。

秋

オアシスの森の中には、梅畑が広がっています。
2月頃から、梅の花が見頃となります。

梅の花

よく見かける植物

ツツジ

相生山には、野生のツツジが三種類ほどあります。

コバノミツバツツジ、モチツツジ、ヤマツツジなどです。

初夏の季節に見頃となります。

ズミ

ズミは、リンゴに近縁な野生種で、ミヤマカイドウ、ヒメリンゴとも呼ばれます。

白い花が咲きます。

ズミ

アケビ

相生山の山中にはアケビが生えており、秋になると実がなります。

アケビ

食べごろでしたが、実が高いところになっていたので、取れませんでした。

相生山植物図鑑

相生山には野生ランも自生しています。

関連リンク:相生山植物図鑑<春夏編>

動物や昆虫

ヒメボタル

相生山緑地には、さまざまな動植物が生息しています。

とりわけ、ヒメボタルが有名です。

近年はマスメディアでも取り上げられ、知名度がアップしています。

そのため、見物客が増えすぎているという問題もあるようです。

管理人も、ヒメボタルを観察をしに相生山へ行ったことがあります。

名古屋市内とは思えないほど、幻想的な光景でした。

ヒメボタル
この奥で観察できました。

陸貝

ホタルの餌となる陸生の貝類で、準絶滅危惧種に指定されているウメムラシタラガイも発見されています。

カブトムシやクワガタムシ

カブトムシやクワガタムシもいます。

落ち葉を集めて作った「ビートルアパート」が、山の中に設置されています。

野生のタヌキ

相生山周辺には野生のタヌキが住んでいます。

管理人も見たことがあります。

出没時間帯は夜間が多いですが、昼間でも、ごくたまに見かけます。

かつてはオオタカの営巣も

上記で紹介した動植物はごく一部です。

他にも、鳥類や昆虫類も多くいます。

道路工事が行われる以前は、オオタカの営巣も見られたとのことです(参考:2002年の記事)。

後述の道路工事計画により、これらの動植物への影響が危惧されています。

多様な動植物の生息地

相生山緑地オアシスの森ガイドブック
動植物

画像をクリックすると拡大します。

道路工事計画

相生山は名古屋の共有財産

相生山の森を歩いてみると、とても貴重な緑地であることが分かります。

交通のアクセスも良く、名古屋市民全体の共有財産ともいえます。

森のど真ん中に道路を通す「弥富相生山線」計画は、凍結すべきだと思います。

そもそも、この道路計画は、昭和32年という大昔の計画です。

環境への大きな影

この道路工事により、ヒメボタルの生息地へ甚大な影響が出ると予想されています。

なし崩し的に、緑地の破壊が進む懸念もあります。

環境都市 名古屋

2010年には、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が、名古屋市で開催され「名古屋議定書」が締結されました。

名古屋は『環境都市』と言えます。

道路計画は、環境都市にふさわしくないやり方ではないか、と思います。

名古屋市は、かつて、『藤前干潟』をゴミ処理場建設から救ったこともあります(藤前干潟は、名古屋市港区のラムサール条約登録地の干潟)。

「弥富相生山線」計画についても、同様に、凍結の判断をされるよう望みます。

道路
予定地とされる場所。